高齢者の食事と介護予防

フレイルとは年齢とともに体重や筋肉量が減少し、それに伴って運動機能の低下が見られます。したがって、介護のリスクが高い状態にあると言われています。フレイルの要因には、運動量の低下による筋力低下もさることながら、年齢を重ねると共に食事量が減少することで、低栄養状態になることも要因の一つとして挙げられています。したがって、フレイルの状態にあると判断したら、低栄養状態の改善に向けた食生活の見直しを図ることが重要です。

高齢になると食が細くなり、1日2食や1食の食事になってしまう人がいます。朝昼兼用の食事など、生活リズムの乱れが欠食に繋がるため、まずは1日のリズムを整えて、決まった時間に1日3食の食事をしっかり摂るように指導しましょう。また、食事の量自体が少ない場合は、栄養価の偏りや低下が生じやすいため、一つ一つは少量でも構わないので、副菜の品数を増やして栄養の向上を図りましょう。また、汁物に乾燥野菜や油揚げ、豆腐や海藻類を加えるという方法も有効です。それから、在宅で過ごす高齢者には、日持ちのする常備菜をいくつか用意するように指導するのもポイントです。

さらに、どうしても1食の食事量を増やすことが難しい場合は、栄養補助食品を取り入れて、いつもの食事だけでは補いきれないカロリーや栄養価を補填するようにアドバイスをしましょう。補助食品には、飲料タイプやゼリータイプなど、様々な形状のものがあります。食事がなかなか進まないという高齢者でも、おやつ感覚で摂取しやすいというメリットもあるので、導入しやすいのではないでしょうか。栄養面でのフレイル対策は、ネット上にも情報が載っているので、調べてみると参考になると思います。